不器用なキミ~向日葵の恋~
「……なにそれ……勝手に決めないでくれる?」

「……え?」

「僕、可愛い事言って欲しいとか別に思ってないし」

「……ごめん」

「渚のこともっと知りたいって思ってるし」

「……そっか……ありがと」

「分かったんならいいけど……あ!タクシー」

タクシーが来たから、彼女を乗せて着いたらメールするように言って見送ったんだ。

この続きはまた今度だ。

彼女とはちゃんと一度話した方が良いのかもしれない。

危うく険悪なムードになりかけて……いや、なってしまったか……。

だけど、あのまま彼女に喋らせてるときっとこう言うんだ。

“私なんかと付き合わなければ良かったのにね”

何故だかそう思った。

確かに変わってる。

だからきっと今までは色んな事を言われたんだろう。

だけど、今ままでがどうかなんてどうでも良い。僕が彼女を好きだから付き合ってるのに。

彼女の言うように可愛い事言ってたらどうなんだろう?

普通のよくある女性の思考だったらどうなんだろう?

きっと惹かれてないような気がする。

外見だけじゃなく中身もひっくるめて彼女が良かったんだよ。

だから2か月も待てたんだ。

そこを彼女は分かってない……それが腹立だしかった。

ちゃんと僕を見てくれてるのだろうかって不安になるだろ。
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