珈琲プリンスと苦い恋の始まり
それで今も写真を撮り続けてる。
撮った直ぐ後に、自分の人生があるとは限らないけど。



「ねっ、そうでしょ?」


三人の写真に声をかける。

死は突然に来ることもある。
別れは急にやってきて、自分が大事にしてるものも全部、投げ出さないといけなくなる。


だから、私は極力人間に興味を持たないようにしてる。

自分がいつ死んでも誰も悲しみ過ぎないよう、接点は少なくしておきたいんだ。


だけど、亡くなった人達の代わりに誰かを助けたい。

それで私は看護師になった。

矛盾してるとは思われても、今の自分にはそういう生き方しか出来ない……。



「それって、間違ってる?」


父や祖母に訊いても返事はない。

声は空しく部屋の中に広がり、還らない言葉の代わりに溜息だけが残る。


この息を吐いた瞬間、死は突然に来るかもしれない。

それすら誰にも分からない。

人生は本当に、一寸先が闇だ……。



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