珈琲プリンスと苦い恋の始まり
資料には記載がありませんと言われ、駄目か…と少し気落ちした。
「あの…では、その物件を我が社が買い取った際に、何か条件などは付けませんでしたか?リフォームとか、庭の整地面とかで」
頼むぞ、と願いつつ訊き返すと、社長は「ああ」と明るい表情に変わり……
「白川珈琲店様からは、海が見渡せるような庭作りにして欲しいと頼まれました。
それと、飲食店を経営するので、白蟻業者に入って貰い、白蟻の原因になりそうなものは全て排除をするように…と言われましたね」
「それで、まさかとは思いますけど、桜を…」
「えっ?桜?…ああ、ひょっとして、あの庭にあった老木のことですか?」
社長は思い出したように目を見張る。「そうです」と俺が頷くと、目線を上に向けながら。
「あれなら確か、庭の施工業者に掘り起こしを依頼して、処分を頼んだんじゃないかなぁ。呉々も白蟻にだけは注意を払って欲しい、と願われましたのでね」
何せ古い家屋ですから…と話す森本社長の言いたいことは十分納得がいくのだが__。
「あの…では、その物件を我が社が買い取った際に、何か条件などは付けませんでしたか?リフォームとか、庭の整地面とかで」
頼むぞ、と願いつつ訊き返すと、社長は「ああ」と明るい表情に変わり……
「白川珈琲店様からは、海が見渡せるような庭作りにして欲しいと頼まれました。
それと、飲食店を経営するので、白蟻業者に入って貰い、白蟻の原因になりそうなものは全て排除をするように…と言われましたね」
「それで、まさかとは思いますけど、桜を…」
「えっ?桜?…ああ、ひょっとして、あの庭にあった老木のことですか?」
社長は思い出したように目を見張る。「そうです」と俺が頷くと、目線を上に向けながら。
「あれなら確か、庭の施工業者に掘り起こしを依頼して、処分を頼んだんじゃないかなぁ。呉々も白蟻にだけは注意を払って欲しい、と願われましたのでね」
何せ古い家屋ですから…と話す森本社長の言いたいことは十分納得がいくのだが__。