珈琲プリンスと苦い恋の始まり
(…しかし、苗字が気になるな)


どうも引っ掛かる。
彼女の『江崎』という名字が。


(それに、あの親への態度も)


思い出しながら、俺はまだ何か確信に触れてない様な気がした。
ようやくあの家に住んでいた人のことだけは分かったが。


「身寄りのない老人か。独居だったのかな」


そういう人ならあの周辺には幾らでもいそうだ。
ど田舎だし、空き家も結構多そうだし。


「うーん…」


悩む声を出しながら車を走らせる。

こうなると、彼女自身の口からあの家のことを直接聞き出すのが、一番速いのかもしれない…と何となく思いながら帰った……。


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