珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「見たぞぉ…」
社員用の通用口から入ってきた私を見つけ、梨華はほくそ笑みながら近づいて来る。
こっちはあまり近づかれると泣いたのがバレそうな気がして、適度な距離を保ちながら、「何が?」と問い返した。
「またまた〜」
梨華はニンマリしながら一歩近づき、「今の車、マスターのでしょ!?」と確信をついた。
「事務所の窓からバッチリ見てたよ。一体何があったの?」
時間給を貰って菩提寺にお墓参りに行く筈じゃなかった?と問い詰められてしまい、まさかそのまま『White moon』へ行ったとも言い出せず。
「ちょっと出先でアクシデントがあって、車が出せなくなったところへ彼の車が通りがかったの」
それで此処まで送って貰っただけだ、と苦しい嘘を吐いてたみた。梨華は単純にも信じ込み、「そっか」と答えて「残念」と笑った。
「私、マスターが愛花に興味を持ってるみたいだから応援してるのに、ただの救済措置をしただけか」
ちぇっ…と小さく声を漏らしてる。それを聞いた私は苦笑して、正にそうだった…と思い返した。
社員用の通用口から入ってきた私を見つけ、梨華はほくそ笑みながら近づいて来る。
こっちはあまり近づかれると泣いたのがバレそうな気がして、適度な距離を保ちながら、「何が?」と問い返した。
「またまた〜」
梨華はニンマリしながら一歩近づき、「今の車、マスターのでしょ!?」と確信をついた。
「事務所の窓からバッチリ見てたよ。一体何があったの?」
時間給を貰って菩提寺にお墓参りに行く筈じゃなかった?と問い詰められてしまい、まさかそのまま『White moon』へ行ったとも言い出せず。
「ちょっと出先でアクシデントがあって、車が出せなくなったところへ彼の車が通りがかったの」
それで此処まで送って貰っただけだ、と苦しい嘘を吐いてたみた。梨華は単純にも信じ込み、「そっか」と答えて「残念」と笑った。
「私、マスターが愛花に興味を持ってるみたいだから応援してるのに、ただの救済措置をしただけか」
ちぇっ…と小さく声を漏らしてる。それを聞いた私は苦笑して、正にそうだった…と思い返した。