珈琲プリンスと苦い恋の始まり
(…プッ!変な人)
やっぱり何処か父に似てるみたいな気がしてくる。
妙に好奇心が旺盛で、探究心が強いところなんかがよく似てる。
でも、本当は小二の頃に亡くなった父のことなど、記憶の中でとっくに都合良く変化させてると思うのに、彼のことは何故だかそう思えてしまった。
あの磯で夕日を見た時と同じ様に、何だか離れがたい人だと感じた。
『鮨 将(すしまさ)』という看板は、職場から十五分くらい走った辺りで見えてきた。
彼処…と指差すと彼は嬉しそうに右折し、さっさと車を止めて「降りよう」と言う。
駐車場には二台の乗用車が停まってるのみで、他には入ってくるお客さんもない。
まさか自分がこの店で食べることになるとは思わずにいた私は、此処に連れて来たことをかなり後悔しながらシートベルトを外した。
黒い板が外壁に張り巡らされたモダンな建物の引き戸を開け、彼が愛想よく「今晩は」と言いながら店に入る。
私はその背後に隠れるようにして足を運び、ちらっとカウンターに立つ職人さんを視界に入れた。
やっぱり何処か父に似てるみたいな気がしてくる。
妙に好奇心が旺盛で、探究心が強いところなんかがよく似てる。
でも、本当は小二の頃に亡くなった父のことなど、記憶の中でとっくに都合良く変化させてると思うのに、彼のことは何故だかそう思えてしまった。
あの磯で夕日を見た時と同じ様に、何だか離れがたい人だと感じた。
『鮨 将(すしまさ)』という看板は、職場から十五分くらい走った辺りで見えてきた。
彼処…と指差すと彼は嬉しそうに右折し、さっさと車を止めて「降りよう」と言う。
駐車場には二台の乗用車が停まってるのみで、他には入ってくるお客さんもない。
まさか自分がこの店で食べることになるとは思わずにいた私は、此処に連れて来たことをかなり後悔しながらシートベルトを外した。
黒い板が外壁に張り巡らされたモダンな建物の引き戸を開け、彼が愛想よく「今晩は」と言いながら店に入る。
私はその背後に隠れるようにして足を運び、ちらっとカウンターに立つ職人さんを視界に入れた。