珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「お待たせ致しました」
一杯の珈琲が届けられ、思わず彼の代わりをしてる人を睨み付ける。
ビクッと顔を強張らせる人にあれこれ訊きたい。
彼が急に居なくなるなんて本当なの!?と怒鳴り、嘘なら早く連れて来て!と叫びそうになった。
「………」
だけど、何も言えずに言葉を飲み込む。
出された珈琲を飲んでも彼が淹れた物の様に美味しいとは思えず、半分くらいを残して「帰ります」と言って席を立った__。
「愛花ちゃん」
山本さんの声に振り向いて笑おうとした。
だけど、その途端に泣きそうになって、サッと顔を伏せて出た。
引き戸を閉めると習慣のように桜があった場所を見返す。
あの桜と同じように、彼もまた此処から突然いなくなってしまった……。
カクン…と心の中で、タガが外れる。
その場に座り込みそうになるくらい、足の力が抜けてく。
「……何よ、嘘ばっかじゃない」
私のことを好きだと言った彼とは、もう二度と会えないかもしれないんだ。
生きててもこんな目に遭うこともあるんだ…と知り、心の底から激しく落胆した。
一杯の珈琲が届けられ、思わず彼の代わりをしてる人を睨み付ける。
ビクッと顔を強張らせる人にあれこれ訊きたい。
彼が急に居なくなるなんて本当なの!?と怒鳴り、嘘なら早く連れて来て!と叫びそうになった。
「………」
だけど、何も言えずに言葉を飲み込む。
出された珈琲を飲んでも彼が淹れた物の様に美味しいとは思えず、半分くらいを残して「帰ります」と言って席を立った__。
「愛花ちゃん」
山本さんの声に振り向いて笑おうとした。
だけど、その途端に泣きそうになって、サッと顔を伏せて出た。
引き戸を閉めると習慣のように桜があった場所を見返す。
あの桜と同じように、彼もまた此処から突然いなくなってしまった……。
カクン…と心の中で、タガが外れる。
その場に座り込みそうになるくらい、足の力が抜けてく。
「……何よ、嘘ばっかじゃない」
私のことを好きだと言った彼とは、もう二度と会えないかもしれないんだ。
生きててもこんな目に遭うこともあるんだ…と知り、心の底から激しく落胆した。