珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「いい事ばかり言って何よ」


私はあれ以来、懸命に前を向いていこう、と気持ちを切り替え始めたと言うのに。


「御曹司ならそうだと言えば良かったじゃない。そんなビッグな人だと知ってたら、私はもっと強く拒否をしてるのに」


恨み言を呟きながら目を潤ませ始める。
彼がいないこの店が別物のように感じて、やっぱり二度と此処へは来ないと思って走った。


車のアクセルを踏み込んで逃げ出す。

別れはやはり突然に来た…と思う私の目から、涙の雫が溢れて落ちていった………。


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