珈琲プリンスと苦い恋の始まり
新しい店は高原の中にある。
近くに別荘地やキャンプ場があり、冬場は雪深いが、スキー客も来るだろうというので出店が決まった。
そこに出向したのは、俺と、本社で営業係長を任されていた男だ。
蓮見嶺二(はすみ れいじ)という奴で、年齢も俺とあまり変わらないと聞いた。
「俺の実家が、この店の隣町にあるんですよ。
それで、新店のマスターをしたい奴を急募してると聞いたんで、赴任して、行く行くは親の面倒も見れるようになるといいなと思い、出向の希望を伝えました」
みっちりしごいて下さい、と言う。
やる気のある奴で良かった…と安心し、宜しく頼む…と頭を下げた。
オープンまでの間に、蓮見には教えないといけない事が山ほどある。経営理論や戦術も、たった一月で彼の頭の中に叩き込んでやらないといけない。
「難しいことを言う時もあると思う。でも、俺は大分焦ってるんだ」
此処へ出向いてからも毎日のように彼女のスマホには電話を入れた。
相変わらず電話は繋がらなくて、そのうち彼女が着信拒否をしてるんだろうと見当がついた。
近くに別荘地やキャンプ場があり、冬場は雪深いが、スキー客も来るだろうというので出店が決まった。
そこに出向したのは、俺と、本社で営業係長を任されていた男だ。
蓮見嶺二(はすみ れいじ)という奴で、年齢も俺とあまり変わらないと聞いた。
「俺の実家が、この店の隣町にあるんですよ。
それで、新店のマスターをしたい奴を急募してると聞いたんで、赴任して、行く行くは親の面倒も見れるようになるといいなと思い、出向の希望を伝えました」
みっちりしごいて下さい、と言う。
やる気のある奴で良かった…と安心し、宜しく頼む…と頭を下げた。
オープンまでの間に、蓮見には教えないといけない事が山ほどある。経営理論や戦術も、たった一月で彼の頭の中に叩き込んでやらないといけない。
「難しいことを言う時もあると思う。でも、俺は大分焦ってるんだ」
此処へ出向いてからも毎日のように彼女のスマホには電話を入れた。
相変わらず電話は繋がらなくて、そのうち彼女が着信拒否をしてるんだろうと見当がついた。