珈琲プリンスと苦い恋の始まり
手の届かない人
「マスター!?」
小さい目をドングリ眼にした人は、バタバタと足音を立てながら走りこんで来た。
「ど、どうしたんだい!?」
指を差すから笑い、「山本さんこそどうしたんですか?」と訊き返した。
「私は此処に珈琲を飲みに…いや、それよりもあんた、今まで何処で何をしてたんだよ!」
御曹司じゃなかったのかい!?と訊かれ、何をどう説明しようかと迷った。
山本さんはずいっと俺の真ん前に座り、急に居なくなったかと思ったら戻ってきて…と言いかけ、「そんな事よりも大変なんだ!」と声を上げた。
「あんたが居ない間に、愛花ちゃんのお嫁入りが決まったんだよ!」
大きな声で叫び、俺は一瞬固まる。
「…え?」
まさかと思いながら声を発すると、山本さんはカウンターの上をドン!と叩き、「こんな冗談言える訳ないだろ!?」と怒鳴った。
「相手は菩提寺の副住職さんだよ。愛花ちゃんのことをずっと好きだったらしくて、住職様が愛花ちゃんに直接話を持ってきた、と聞いたよ」
とにかく珈琲を頂戴、と催促し、相変わらずコンビニの袋からスイーツを取り出す。
小さい目をドングリ眼にした人は、バタバタと足音を立てながら走りこんで来た。
「ど、どうしたんだい!?」
指を差すから笑い、「山本さんこそどうしたんですか?」と訊き返した。
「私は此処に珈琲を飲みに…いや、それよりもあんた、今まで何処で何をしてたんだよ!」
御曹司じゃなかったのかい!?と訊かれ、何をどう説明しようかと迷った。
山本さんはずいっと俺の真ん前に座り、急に居なくなったかと思ったら戻ってきて…と言いかけ、「そんな事よりも大変なんだ!」と声を上げた。
「あんたが居ない間に、愛花ちゃんのお嫁入りが決まったんだよ!」
大きな声で叫び、俺は一瞬固まる。
「…え?」
まさかと思いながら声を発すると、山本さんはカウンターの上をドン!と叩き、「こんな冗談言える訳ないだろ!?」と怒鳴った。
「相手は菩提寺の副住職さんだよ。愛花ちゃんのことをずっと好きだったらしくて、住職様が愛花ちゃんに直接話を持ってきた、と聞いたよ」
とにかく珈琲を頂戴、と催促し、相変わらずコンビニの袋からスイーツを取り出す。