珈琲プリンスと苦い恋の始まり
フォトライター『SAKURA』
利用者のバイタル数値を個別ファイルに記録している最中、事務所の社員でもある友人の西田梨華(にしだ りか)が私を呼ぶ。
「ちょっと来て。愛花」
ちょっとちょっと…と指先をドアの隙間から動かし、何よもう…と立ち上がった。
「何か用?」
忙しいんだけど…と唇を尖らせると、梨華は「お願いがあるから一緒に来て」と言う。
「今、会議室で大事な話し合いをしてるんだけど、どうしてもいいアイデアが思い浮かばなくてね」
助けると思って来て欲しいと言うので、一緒に会議室へと向かった。
中に入るとセンター長を始め、相談員や総務主任までが勢揃い。
何の密談をしてるんだろうかと窺いながら席に座り、センター長の話に耳を傾けてムッとした。
総務主任の藤枝さんは、私が嫌っている店の話を平然としてくる。
紹介されたから仕方なく目を向けると、上座に座っていた男性が柔らかい声で、「初めまして」と喋った。
「白川と申します」
そんなことは知ってると唇の先まで出掛かった。
だけど、この間店に行った時には憤慨し過ぎて取り乱してしまったから、ポーカーフェイスを装うしかない。
「ちょっと来て。愛花」
ちょっとちょっと…と指先をドアの隙間から動かし、何よもう…と立ち上がった。
「何か用?」
忙しいんだけど…と唇を尖らせると、梨華は「お願いがあるから一緒に来て」と言う。
「今、会議室で大事な話し合いをしてるんだけど、どうしてもいいアイデアが思い浮かばなくてね」
助けると思って来て欲しいと言うので、一緒に会議室へと向かった。
中に入るとセンター長を始め、相談員や総務主任までが勢揃い。
何の密談をしてるんだろうかと窺いながら席に座り、センター長の話に耳を傾けてムッとした。
総務主任の藤枝さんは、私が嫌っている店の話を平然としてくる。
紹介されたから仕方なく目を向けると、上座に座っていた男性が柔らかい声で、「初めまして」と喋った。
「白川と申します」
そんなことは知ってると唇の先まで出掛かった。
だけど、この間店に行った時には憤慨し過ぎて取り乱してしまったから、ポーカーフェイスを装うしかない。