珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「さっき言ってたセンターに飾られてある桜の写真ね、あれが彼女の処女作だと聞いたことがあるよ。
あの桜は隣町のお寺の庭にある枝垂れ桜で、自分の実家の菩提寺だと言ってたね」
「そうなんですか…」
聞き直すまでもなく教えてくれて、山本さんはズズッと珈琲を啜る。
カップを持ったまま動きが静止する彼女に向かい、俺は確信を確定に変更する様な質問をした。
「それで、彼女はいつもどんな格好で写真を撮ってるかを見たことがありますか?」
山本さんは俺の方を振り向き、「ああ」と相槌を打ち、「あるある」と楽しそうな声を上げた。
「カメラ小僧って言うのがあるじゃない。あれと同レベルにしたらダメだろうけど、大方そんな感じの雰囲気だったと思うよ」
トレードマークはキャップとカメラマンベストだと語り、カメラマンベストという服がどんな物か知ってるかい?と俺に訊き返した。
「ひょっとしてと思いますけど、いろんな場所にポケットが沢山付いてるあれですか?」
あの日、彼女が着ていた服装を思い出して言ってみる。
あの桜は隣町のお寺の庭にある枝垂れ桜で、自分の実家の菩提寺だと言ってたね」
「そうなんですか…」
聞き直すまでもなく教えてくれて、山本さんはズズッと珈琲を啜る。
カップを持ったまま動きが静止する彼女に向かい、俺は確信を確定に変更する様な質問をした。
「それで、彼女はいつもどんな格好で写真を撮ってるかを見たことがありますか?」
山本さんは俺の方を振り向き、「ああ」と相槌を打ち、「あるある」と楽しそうな声を上げた。
「カメラ小僧って言うのがあるじゃない。あれと同レベルにしたらダメだろうけど、大方そんな感じの雰囲気だったと思うよ」
トレードマークはキャップとカメラマンベストだと語り、カメラマンベストという服がどんな物か知ってるかい?と俺に訊き返した。
「ひょっとしてと思いますけど、いろんな場所にポケットが沢山付いてるあれですか?」
あの日、彼女が着ていた服装を思い出して言ってみる。