珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「ええ〜!?まだ飲んだことがないの!?だったら一度は試しで行かないと!」
口喧しい山本さんにまで勧められてしまい、上手に断りを言うことが出来なくなった。
私達の他にも総務の藤枝さん達を誘ったというのを聞いて、多分梨華も誘われたんだろうと思ったが。
「西田さんは残念ながらお稽古事があるんだって」
週一で通っている吹奏楽団の練習日らしい。
彼氏も同じ楽団に入っているから欠席は絶対にしないし、寧ろその後でデートが待ってるんだからルンルン気分で退社した筈だ。
「いいわねー、若い人は。色々と用事があってさ」
主婦は詰まらないと愚痴をこぼすのを聞き、私にも用事の一つくらいありますよ、と言ってやりたいところではあるが__。
(まあいいか。皆と一緒でないとあの場所には足を運べないし)
珈琲はともかく、あの家に足を運んでみたかった。
彼処の庭から見える景色が撮りたくて、少しウズウズしてたんだ。
「愛花ちゃん、行こう」
山本さん達に誘われて懐かしい場所へ向かう。
昔とは違い綺麗に整地された庭先に車を置いて外へ出ると、海から漂ってくる湿った空気に気付いた。
口喧しい山本さんにまで勧められてしまい、上手に断りを言うことが出来なくなった。
私達の他にも総務の藤枝さん達を誘ったというのを聞いて、多分梨華も誘われたんだろうと思ったが。
「西田さんは残念ながらお稽古事があるんだって」
週一で通っている吹奏楽団の練習日らしい。
彼氏も同じ楽団に入っているから欠席は絶対にしないし、寧ろその後でデートが待ってるんだからルンルン気分で退社した筈だ。
「いいわねー、若い人は。色々と用事があってさ」
主婦は詰まらないと愚痴をこぼすのを聞き、私にも用事の一つくらいありますよ、と言ってやりたいところではあるが__。
(まあいいか。皆と一緒でないとあの場所には足を運べないし)
珈琲はともかく、あの家に足を運んでみたかった。
彼処の庭から見える景色が撮りたくて、少しウズウズしてたんだ。
「愛花ちゃん、行こう」
山本さん達に誘われて懐かしい場所へ向かう。
昔とは違い綺麗に整地された庭先に車を置いて外へ出ると、海から漂ってくる湿った空気に気付いた。