珈琲プリンスと苦い恋の始まり
岩場から道路を渡って車の所まで戻ると、彼は私に「これからどうする?」と聞いてきた。
「どうするって、家に帰るよ」
当然とばかりに話すと、ふぅん…と低い声で唸る。
そうか…と残念そうに肩を落とし、家は近くなのか?と訊き返してきた。
「此処から車で四十分くらい離れた所よ」
隣の市に住んでるんだと言うと、大袈裟に驚かれた。
「いつもそれくらいかけて通勤してるのか!?」
遠いな、と言うもんだから普通よ、と答えた。
「田舎では普通に通勤圏内よ。電車の数だって都会とは違って少ないから当たり前」
それじゃ…と車のロックを外すと、彼は慌てたように「待った!」と声を上げた。
「ねえ、帰る前に店に来いよ。珈琲でも一杯奢るから」
「えっ?いいよ」
胡散臭さマックスで断ると、彼は「そう言わず」と引き止める。
「俺、君の撮った写真が気になるんだ。さっきの夕日もその中に入ってるんだろう?」
肩からぶら下げてるカメラを指差し、見せて欲しいと強請るもんだから、こっちは少し躊躇った。
「どうするって、家に帰るよ」
当然とばかりに話すと、ふぅん…と低い声で唸る。
そうか…と残念そうに肩を落とし、家は近くなのか?と訊き返してきた。
「此処から車で四十分くらい離れた所よ」
隣の市に住んでるんだと言うと、大袈裟に驚かれた。
「いつもそれくらいかけて通勤してるのか!?」
遠いな、と言うもんだから普通よ、と答えた。
「田舎では普通に通勤圏内よ。電車の数だって都会とは違って少ないから当たり前」
それじゃ…と車のロックを外すと、彼は慌てたように「待った!」と声を上げた。
「ねえ、帰る前に店に来いよ。珈琲でも一杯奢るから」
「えっ?いいよ」
胡散臭さマックスで断ると、彼は「そう言わず」と引き止める。
「俺、君の撮った写真が気になるんだ。さっきの夕日もその中に入ってるんだろう?」
肩からぶら下げてるカメラを指差し、見せて欲しいと強請るもんだから、こっちは少し躊躇った。