珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「どうするってこともないけど、不思議だなと思ったんだよ。君の写真集を見ても、このカメラの画像を見ても同じだから。
それに『SAKURA』ってネーミングも意味有り気だと思うんだよな。それはやっぱりあれ?桜の木から名付けたの?」
次々と質問を繰り返す彼に目を向けたまま、私は小さな息を吐いた。
興味深そうにする彼を見てると父のことを思い出して、複雑な心境に陥った。
「……私が人を撮らないのは、人間が嫌いだからよ」
そう答えると彼の目が大きく見開く。
驚くような顔つきに変わる彼を視界に入れ、冷めた笑いを浮かべた。
「人はカメラを向けるとポーズを取るでしょ。
泣いてる子供がカメラを向けると泣き止むのと同じで、ついカッコ付けたくなるの。
そういうの見てると自然じゃないなと思う。
カッコなんて付けなくても自然でいればいいのにと思うと撮る気が失くなってしまうの」
答えると一瞬納得したように頷く。でも、直ぐに「じゃあさ…」と続けた。
「横顔や後ろ姿を取るのはどうして?動物や建造物もポーズを取る?」
それに『SAKURA』ってネーミングも意味有り気だと思うんだよな。それはやっぱりあれ?桜の木から名付けたの?」
次々と質問を繰り返す彼に目を向けたまま、私は小さな息を吐いた。
興味深そうにする彼を見てると父のことを思い出して、複雑な心境に陥った。
「……私が人を撮らないのは、人間が嫌いだからよ」
そう答えると彼の目が大きく見開く。
驚くような顔つきに変わる彼を視界に入れ、冷めた笑いを浮かべた。
「人はカメラを向けるとポーズを取るでしょ。
泣いてる子供がカメラを向けると泣き止むのと同じで、ついカッコ付けたくなるの。
そういうの見てると自然じゃないなと思う。
カッコなんて付けなくても自然でいればいいのにと思うと撮る気が失くなってしまうの」
答えると一瞬納得したように頷く。でも、直ぐに「じゃあさ…」と続けた。
「横顔や後ろ姿を取るのはどうして?動物や建造物もポーズを取る?」