珈琲プリンスと苦い恋の始まり
愛される人
月曜日の朝、開店前にデイサービスセンター『悠々』に出向いた。
週末に借りて帰った彼女の写真集を返却する為に。
「おはようございます」
正面玄関を入り、カウンター越しに声をかけると、彼女と仲の良さそうだった女性社員が気づいた。
「おはようございます!」
椅子から立ち上がるといそいそとやって来る。
俺は手にしていた写真集を見せ、「返却に来ました」と伝えた。
「もう見たんですか?如何でした?」
本を受け取りながら感想を聞いてくる。
俺はその言葉に微笑み、口角を上げたまま答えた。
「実に興味深い写真集でしたよ。撮った彼女自身にも興味が湧きました」
そう言うと事務所の社員は苦笑し……
「そうでしょうね。ご覧になった方は皆さん不思議がられるんですよ。
人は一人も写ってないし、やたらと横か後ろ姿が多いから」
変わってるね、とよく言われてますと話し、つくづく同感です…と頷いた。
「愛花には伝えておきます。マスターが興味を持ってるって」
週末に借りて帰った彼女の写真集を返却する為に。
「おはようございます」
正面玄関を入り、カウンター越しに声をかけると、彼女と仲の良さそうだった女性社員が気づいた。
「おはようございます!」
椅子から立ち上がるといそいそとやって来る。
俺は手にしていた写真集を見せ、「返却に来ました」と伝えた。
「もう見たんですか?如何でした?」
本を受け取りながら感想を聞いてくる。
俺はその言葉に微笑み、口角を上げたまま答えた。
「実に興味深い写真集でしたよ。撮った彼女自身にも興味が湧きました」
そう言うと事務所の社員は苦笑し……
「そうでしょうね。ご覧になった方は皆さん不思議がられるんですよ。
人は一人も写ってないし、やたらと横か後ろ姿が多いから」
変わってるね、とよく言われてますと話し、つくづく同感です…と頷いた。
「愛花には伝えておきます。マスターが興味を持ってるって」