珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「え…教えたの!?」
退勤時に玄関口で会った梨華から話を聞き、思わず声を上げた。
「だって、マスターが聞いてきたから」
梨華は悪びれた様子もなく、別に構わないでしょ、と言い返す。
私はそれに渋い表情を見せ、「でも、名付けの理由なんて話されると恥ずかしいよ」と訴えた。
「しかも自分のいない所で」
付け加えると、梨華は肩を竦めて。
「ごめん。だけどマスターは納得してたよ。私が愛花には合った名前だと言ったら頷いてたし、それにね、写真集を見て愛花に興味を持ったって話してた」
嬉々とする梨華に溜息を吐きながら、それは昨日聞いたし…と思う。
でも、今ここでそれを話すとややこしくなるなと考え、喋らないでおこうと口を閉ざした。
「相手がいくら興味を持ってても話すのは止めてよね」
再度念を押すと梨華はこくこくと頷いた。
「分かったよ、もう話さないから。…でも、あのイケメンマスターが自分に興味を持ってると思うと嬉しくない?私ならこれを機に一気に仲良くなりたいと思うけどな」
退勤時に玄関口で会った梨華から話を聞き、思わず声を上げた。
「だって、マスターが聞いてきたから」
梨華は悪びれた様子もなく、別に構わないでしょ、と言い返す。
私はそれに渋い表情を見せ、「でも、名付けの理由なんて話されると恥ずかしいよ」と訴えた。
「しかも自分のいない所で」
付け加えると、梨華は肩を竦めて。
「ごめん。だけどマスターは納得してたよ。私が愛花には合った名前だと言ったら頷いてたし、それにね、写真集を見て愛花に興味を持ったって話してた」
嬉々とする梨華に溜息を吐きながら、それは昨日聞いたし…と思う。
でも、今ここでそれを話すとややこしくなるなと考え、喋らないでおこうと口を閉ざした。
「相手がいくら興味を持ってても話すのは止めてよね」
再度念を押すと梨華はこくこくと頷いた。
「分かったよ、もう話さないから。…でも、あのイケメンマスターが自分に興味を持ってると思うと嬉しくない?私ならこれを機に一気に仲良くなりたいと思うけどな」