珈琲プリンスと苦い恋の始まり
「座れば?」
トントンとカウンターの上を突き、ハッとして前を向いた。
白いシャツを着てる彼は小首を傾げ、「どうぞ」と優しい声を出した。
その声に促されるようにカウンターチェアに座ると、彼はこの間のように珈琲を淹れて出してくる。
「今日はカフェオレにしたんだ」
前のよりも豆が苦いから…と話す。
甘いのが良ければシュガーをどうぞ、とポットを差し出し、私は無言でカップを持ち上げた。
ゴクンと飲み込むとほんのりと苦かった。
でも、シュガーを入れる程でもないな…と思ってたら、彼がこう言った。
「少しでもいいから入れてみろよ。また違った味が楽しめるから」
一日頑張って働いた自分へのご褒美だと思って、と言う。
そんな彼の言葉を聞いてポットを見つめ、半信半疑の様な気持ちで、スプーン一杯分のブラウンシュガーを混ぜ込んだ。
二口目を飲み込むと、さっきとは明らかに違い、マイルドで優しい味に変化してる。
不思議…と思いながら三口目を付けると、その甘さが口腔内に広がった。
「美味いだろ?」
微笑む彼が訊いて、こくんと頷く。
トントンとカウンターの上を突き、ハッとして前を向いた。
白いシャツを着てる彼は小首を傾げ、「どうぞ」と優しい声を出した。
その声に促されるようにカウンターチェアに座ると、彼はこの間のように珈琲を淹れて出してくる。
「今日はカフェオレにしたんだ」
前のよりも豆が苦いから…と話す。
甘いのが良ければシュガーをどうぞ、とポットを差し出し、私は無言でカップを持ち上げた。
ゴクンと飲み込むとほんのりと苦かった。
でも、シュガーを入れる程でもないな…と思ってたら、彼がこう言った。
「少しでもいいから入れてみろよ。また違った味が楽しめるから」
一日頑張って働いた自分へのご褒美だと思って、と言う。
そんな彼の言葉を聞いてポットを見つめ、半信半疑の様な気持ちで、スプーン一杯分のブラウンシュガーを混ぜ込んだ。
二口目を飲み込むと、さっきとは明らかに違い、マイルドで優しい味に変化してる。
不思議…と思いながら三口目を付けると、その甘さが口腔内に広がった。
「美味いだろ?」
微笑む彼が訊いて、こくんと頷く。