その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
「……おはようございます」

それだけ返して、すぐに目を逸らす。

それでいい。少なくとも今は。
早く彼への恋愛感情を完全に失くしたい。


だから、距離を置こう。

ただの上司と部下の距離に戻ろう。


……いや、私達は最初からただの上司と部下だ。少なくとも、彼にとっては。


何だか笑えてしまう。最初から最後まで、意識してるのは私だけなんだなって。


その後、課長と仕事以外の会話をすることはなく、時刻はあっという間に昼休みを迎えた。
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