その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
「大体それは、課長が私の気持ちを笑い流すからじゃないですか!」
「だからそれを謝ってるだろ」
「謝れば何言ってもいいんですか! 私が、私が……どんな気持ちで……!」
確かに、自分の口から想いを告げた訳じゃない。
だけど、私が課長のことを好きであることに間違いはなかった。
それを笑われた。有り得ないって言われた。
謝って済むなら私だってあんなに傷付かなかった。
駄目だ。思い出すだけで泣きそうになる。課長が何を考えているか、未だによくわからないし。
どんどん俯きがちになる私に、課長は。
「だから、それは誤解なんだって」
「誤、解……?」
私は顔を少し上げて課長を見つめる。
「あんなの、本音で言った訳じゃない。だから泣かせるつもりもなかった」
「本音じゃない……?」
「まあ、君もご存知の通り、俺は女性にかなりモテる訳だが」
「喧嘩売ってるんですね」
「まあ聞け。正直、女性に好意を寄せられることには慣れていた。けど、自分から誰かをこんなに好きになったのは初めてだったから、まさかその相手も俺のことを……とは夢にも思わなかった」
……え……?
課長は何を言っているんだろう?
それじゃあまるで、課長も私のこと好きみたい……。
「だからそれを謝ってるだろ」
「謝れば何言ってもいいんですか! 私が、私が……どんな気持ちで……!」
確かに、自分の口から想いを告げた訳じゃない。
だけど、私が課長のことを好きであることに間違いはなかった。
それを笑われた。有り得ないって言われた。
謝って済むなら私だってあんなに傷付かなかった。
駄目だ。思い出すだけで泣きそうになる。課長が何を考えているか、未だによくわからないし。
どんどん俯きがちになる私に、課長は。
「だから、それは誤解なんだって」
「誤、解……?」
私は顔を少し上げて課長を見つめる。
「あんなの、本音で言った訳じゃない。だから泣かせるつもりもなかった」
「本音じゃない……?」
「まあ、君もご存知の通り、俺は女性にかなりモテる訳だが」
「喧嘩売ってるんですね」
「まあ聞け。正直、女性に好意を寄せられることには慣れていた。けど、自分から誰かをこんなに好きになったのは初めてだったから、まさかその相手も俺のことを……とは夢にも思わなかった」
……え……?
課長は何を言っているんだろう?
それじゃあまるで、課長も私のこと好きみたい……。