湖都子のポエム9
偽物の恋、だけど本気の恋
ずっと好きだった
でもオレじゃダメだろうなって諦めていた
だけど諦められなかった
忘れられない恋がある
初めて会った日から想いは変わらない
ひそかに恋してる
恋が運命でも運命じゃなくても
心に嘘をつけないなら……
おさえがきかない
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奈緖と美月が仲直りして、たまに家に遊びにくるようになった。でも、俺が入るスキなんてない……
俺は奈緖のことを好きだけど、奈緖はどう思ってるんだろう……このまま俺ばっかりがどんどんすきになって……
ちゃんと現実を見ないとなぁ……
そして、美月から聞かれた
「お兄ちゃんって、奈緖ちゃんのことを好きなの?」
「え……わかる?」
「奈緖ちゃんは、全然気づいてないみたいだけど……」
「だよな……」
「あのさ、奈緖ちゃんが彼と別れたのは知ってるよね?浮気されて……」
「うん、だから皆で元気づけるために遊びに行ったんだろー」
「今も、学校で浮気されて別れたことが噂になってるんだよね。それで、お兄ちゃんと付き合ってるふりをしたらって、言ったんだ。そしたら、そんなのみーくんに迷惑かけるからって……」
「なっちゃんは、リビング?」
「うん」
奈緖と話して、恋人のふりをすることになった。本気じゃなくてもかまわない。ふりでもかまわない。大学の友達にも、恋人って紹介した。学校まで迎えにも行って、手をつないで歩いた。俺と一緒にいる時だけは、俺だけを見てほしい。
まるで夢みたいな現実の中にいるのに、何も満たされない。奈緖は、俺のことなんて好きじゃないってわかってるから……