惑溺オフィス~次期社長の独占欲が止まりません~

「田宮さん、手の具合はどうでした?」


岩崎部長が包帯の巻かれた私の左手を見て、沈痛そうな表情を浮かべる。


「ヒビが入っているそうです」
「それは大変ですね。あまり無理せず、仕事もできる範囲でやるようにしてくださいね」
「はい、ありがとうございます」


私が頭を下げ、ミーティングルームから出ていくみんなに続いた。




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