フツリアイな相合い傘
「あなた、部活はやってる?今日は無理しないように早めに帰りなさいね」
「ありがとうございます」
5、6時間目を昼寝してサボってしまったことは気がひけるけど、教室に戻りづらい気持ちもあったからちょうどよかったのかもしれない。
私は先生に頭を下げると、保健室を出た。
とりあえず、教室に荷物を取りに行かないと。
SHRが終わったばかりなら、まだ教室に何人かクラスメートが残っているかもしれない。
なるべく誰とも顔を合わせたくないな。
そう思ったから、少しでも時間を稼げるように今にも立ち止まりそうなくらいのゆっくりとしたスピードで歩いた。
一段一段、踏みしめるように階段を登り、2年の教室が並ぶ廊下まで辿り着いたところでおもむろに立ち止まる。
ゆっくり歩いてきたおかげで、2年の生徒はほとんど下校したか部活に行ってしまったらしい。