フツリアイな相合い傘


初めてまともに話した佐尾くんと、こんなに近い距離で、しかも長時間一緒に歩くことになるなんて。

傘を高く掲げながらギクシャクと歩いているわりにはあまり現実感がない。

なんとも言えない不思議な気分だった。


車や人とすれ違う度、その人たちの目に映る私たちはどう見えているのだろうと思う。

明るい茶色の髪を揺らして颯爽と歩く長身の男の子と、長い髪で顔を隠すようにうつむきながらギクシャクと歩く私。


きっと私たちの姿はとてつもなく不均衡で、滑稽だったに違いない。
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