フツリアイな相合い傘


私がそのことを知っていたのは、中3のとき佐尾くんが好きだった女の子に教えられた情報だ。

でも、佐尾くんはバスケ部でも目立ってたから、これくらいの情報はほとんどの同級生が知ってたはずだ。


「たぶん、知らない人のほうが少ないよ。佐尾くん、高校ではバスケ部続けないの?」

もし部活に入っているなら、HR後すぐ帰ったりできない。

雨の日も、今日も、帰宅部の私と同じ時間帯に下校しているところを見ると、佐尾くんは部活はしてないんだと思う。

佐尾くんは運動神経が良さそうだから、バスケ部じゃなくて他の運動部でも活躍できそうだ。


「続けようかな、と思って仮入部は行ったんだけど……うちの高校のバスケ部ってそこまでレベル高くないみたいでさ。迷った結果、部活に入るのやめたんだ」

「そうなんだ」




< 72 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop