フツリアイな相合い傘


「あ、でも。ときどき元バスケ部で集まって、中学の体育館借りて試合やったりとかしてる。あと、たまにバスケ部に遊びに行って、後輩の練習みんなでみたりとか」

「へぇ」

それから佐尾くんは、元バスケ部の同級生たちの話をいろいろしてくれた。

誰が今どうしてるだとか、誰が昔こんなことしてたとか。

中学のバスケ部の友達の話をするときの佐尾くんはとても楽しそうで生き生きとしていた。

きっと、メンバーみんなの仲が良くて楽しかったんだろうなというのが想像できた。

そんな話を聞いているうちに、私たちはあっという間に別れ道までやってきていた。

真っ直ぐ進めば佐尾くんのマンション。

この別れ道を左にしばらく歩けば、私の家に辿り着く。

雨が降っている日は佐尾くんのマンションまで傘をさして一緒に歩くけれど、今日は晴れているからその必要はなかった。
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