フツリアイな相合い傘


「いや、しつこいからしょうがなくって感じじゃない?」

「それでもすごい」

「西條さんも触ってみたら?おとなしいよ。飼い主がよく世話してるんだろうな。毛並み、柔らかくてふわふわ」

佐尾くんがちょっと強めにガシガシと撫でると、チョコは迷惑そうに彼を見てから目を閉じた。

その様子を見ていたら、触っても案外大丈夫なのかもと思えてくる。

私は躊躇いながらも庭の柵に近寄ると、佐尾くんの隣に並んだ。

佐尾くんに撫でられているチョコは、さっきまでの警戒モードとは打って変わって心地良さそうだった。

コクっと唾を飲み込んで、佐尾くんが差し込んでいるすぐ横の柵の隙間から手を伸ばす。

だけどふわふわとした茶色の毛先に触れようとしたとき、それまで気持ち良さそうにしていたチョコが反射的に目を開けた。

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