フツリアイな相合い傘
「ひさしぶりだね!元気だった?」
微笑みながら駆け寄ってくる瑞穂ちゃんは、ほんのり髪を染めて、ナチュラルなメイクもしていて、中学時代の彼女よりも垢抜けていた。
「瑞穂ちゃん、感じ変わった。綺麗になったね」
「和紗ちゃんだって大人っぽくなってるよ」
瑞穂ちゃんは照れ臭そうに髪の毛の先を弄りながら、私にも無難な褒め言葉を返してくれた。
「ここのコンビニ、よく来てる?意外と近所に住んでるのに、卒業してから全然会わなかったよね」
「そうだね」
連絡先は知っていたから、会おうと思えば会うことだってできたはずだけど。
私たちはお互いに会おうと声をかけ合わなかったし、多分お互いにそこまでして会う必要性を感じていなかった。
「あ、そういえば……」
曖昧に笑って頷いたら、瑞穂ちゃんが何か思い出したようにちょっと目を見開いた。