ふたつのハート
城東駅から外へ出ると、どんよりとした灰色の景色が広がっていた。
電車の中で声をかけてくれた山代くん、そして、お話は一度もしたことないけれど、
山代くんのお友達のセイカ君、2人の後ろ姿を見ながら通学路を歩いて行く。
ーー
「マジにナンパだと思ったよ」
「ありえない」
「だよな、でもさ、美人だったよな、あの左側の髪の長いほうの先輩」
「ふ~ん、そうか?」
「どこ見てんだよ、そんなだからオレにも彼女ができないんだろ?」
「俺は関係ないだろ、自己責任…」
「あ~あ、まったくいいよなあおまえは、なんの努力もなく、いつだってあんな感じでさ、女子のほうから誘ってくるんだから」
「興味ねーよ、うぜえし…」
「…あ、それよりセイカ、天神川がどうのってなに?」
「ちょっとな…」
ーーー
後ろ姿なら、いつまでも見ていられる。
こうしてあらためて見ると、セイカ君の長身にビックリ、高いと思っていた山代くんでさえ小さく見える程だ。
もし、私とセイカ君が一緒に並んだなら、
大人と子供くらいの差になるのかな?
あるわけないけど…
少し歩くと
? 雨の音で良く聞きとれないけれど、今、天神川って…
アレ?
前の2人につられて、私まで違う道に入ってしまった。
電車の中で声をかけてくれた山代くん、そして、お話は一度もしたことないけれど、
山代くんのお友達のセイカ君、2人の後ろ姿を見ながら通学路を歩いて行く。
ーー
「マジにナンパだと思ったよ」
「ありえない」
「だよな、でもさ、美人だったよな、あの左側の髪の長いほうの先輩」
「ふ~ん、そうか?」
「どこ見てんだよ、そんなだからオレにも彼女ができないんだろ?」
「俺は関係ないだろ、自己責任…」
「あ~あ、まったくいいよなあおまえは、なんの努力もなく、いつだってあんな感じでさ、女子のほうから誘ってくるんだから」
「興味ねーよ、うぜえし…」
「…あ、それよりセイカ、天神川がどうのってなに?」
「ちょっとな…」
ーーー
後ろ姿なら、いつまでも見ていられる。
こうしてあらためて見ると、セイカ君の長身にビックリ、高いと思っていた山代くんでさえ小さく見える程だ。
もし、私とセイカ君が一緒に並んだなら、
大人と子供くらいの差になるのかな?
あるわけないけど…
少し歩くと
? 雨の音で良く聞きとれないけれど、今、天神川って…
アレ?
前の2人につられて、私まで違う道に入ってしまった。