ふたつのハート
川の流れが見える場所に着いた。

かなり水かさが増しているように見える。

……はッ!


「あれ?ちびちゃん?来てたんだ…?…どうしたんだよ、そんなに慌てて」

たいへんな事に気づいた私は、2人を追い越し、天神川の橋の欄干から身を乗り出し、下を覗いた。


すごい水!…あッ!

私は遠くから橋が見える位置まで移動して、橋桁の部分を見た。

あの橋と同じような造りだった。


まだ…あの場所には来てない…

今ならまだ間に合う…よし!


「お~い!奈々瀬!どうしちゃったの?」


山代くんが私の方を見ながら、叫んでいた。

私は、慌てて山代くんに駆け寄ると

「あ、あの、私忘れ物しちゃったから…ちょっと戻ります!」

「忘れ物って?まさか電車に?」

「ううん、違う…河川敷…」


そう言って、私はその場から走り去った。

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