ふたつのハート
ガランとしたホームを走り抜け、改札を出て見慣れた街に降り立つと、ピンク色の傘がバッ!っと開いた。

早く行かなくちゃ!


商店街を過ぎて堤防沿いの道に出ると、前に橋が見えて来た。

相変わらずの雨と風で、制服はずぶ濡れになっていた。


しばらくしてあの橋の下に着くと、急いで河川敷へ行こうとしたが…

「え~!…信じられない…」

ない!…河川敷が…「ないッ!」


川の水が増水して、河川敷まで水が来ていたのだ。

早くしないとワンちゃんが!…

今ならまだ間に合う!


川岸からあの橋桁を見ると、白いものが見えた。

…!?…いたッ!ワンちゃん!



「お~い!今行くから、待っててーッ!!」



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