ふたつのハート
電車が来たけれど今日はメチャ混んでいる、昨日とは大違いだった。

ラッシュには慣れているけれど、あと2人、いや3人乗れるか乗れないか、あきらめようか…

「ちびちゃんどうぞ!」

山代くんが譲ってくれた

ありがとう…

でも、ドアからはみ出してるし、男性ばかりで行きづらい…

「わ、私、次ので行く…先に…どうぞ…」

その時、私の手首が引き寄せられ、スっとセイカくんの体に私の身体がスッポリ隠れてしまった。…

「来いよ…」

…セイカくん?


セイカくんは後ろ向きになりながら、私の腰を引き寄せ、2人同時に車両に乗り込んだ。

すかさずその後から山代くんが私をガードする形で乗ると、次の瞬間ドアが閉まった。


「セイカ?だいじょぶか?」


「ああ…」


「ちびちゃんも?」


「…2人がいるから…」


しかし…

緊張感がMax、だって、セイカくんとあい向かいだし、ぴったりくっついているし…

身動きできないし…

顔も熱くなって来てるし…


爆発しそう…



< 25 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop