ふたつのハート
「 ふーっ…やっと到着、いこうぜ!」


いつのまにか、3人で一緒に歩いている。


最初はドキドキしていた、けれど、今は側にいてもあんまり緊張したりしなくなったような気がする。


それに…

ちょっと気になる人…


「何ボケっとしてんの、早くいこうぜ」


「うん…」



駅ビルの待ち合わせ広場で、紗世が待っていた。


真谷 紗世 ( まさたに さよ)同じく城東高校1年1組で中学時代からの親友です。

スマホに夢中になっている紗世を呼んだ。

「さ よ!」

「ち~び~!」

私の声を聞くと、走りよりハグをしてくる

「よかった~、メール来ないから、心配してたんだよ、も~う!」

「うん、ごめん、いろいろあってね」

「どうしちゃったの……あっ…」


話の途中で、急におしゃべりをやめてしまった紗世

「さよ? どうしたの?」

彼女は、私の後ろを指さしている。

とそこには、一緒に来ていた、山代くんとセイカくん

さよは私に腕を絡め、彼らから離れた場所にくると、ヒソヒソ声でしゃべり出した。

(ちび、ちょっと…どうなってるの?)

(どうって?)

(あの2人…まさか、一緒じゃないよね)

(…天神川橋のホームで会ってから、ずっと一緒に…)

(まじめに?…山代はまあいいとして…)

(やましろ?)呼び捨て…

(高吉(たかよし)くん…も?)

(たかよし?…って、セイカくんのこと?)

「うわッ!ちび!下の名前で言ってるし」

(ううん、セイカくんも一緒だった、聞いて!ぎゅうぎゅうでね、私、2人に挟まれて
ピタって…私のこと、ガードしてくれたんだよ…ふたりとも優しいんだ…)

(え~ッ!?…2人とピタっ?…たかよしくんとも?)

(後ろに山代くんで、セイカくんと私は向かい合って…)


(あの高吉くんが?……信じられない…)


「どうしたの、さよ?」


話が長くなりそうだから、私はキョトンとしている2人に向かい

「私、さよと行くから…さっきは…
ありがとう…」


山代くんは大きく手を振り、セイカくんも
右手を小さく


上げてくれた


「信じられない」


そう言うと、2人の後ろ姿をぼーっと見続ける紗世


紗世の様子が変…



ちょっと気になった私…









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