ふたつのハート
あ~あとちょっとでお昼休み…

この、ラブレターの事ばかり考えていたから、先生の話がほとんど頭に入らないよ、特に数学は…

早く終わらせて、ゆっくりしたい~…

「x軸とy軸が交わる……となります


キンコン…

みんな、復習してきてくださいね~!」


「きりーつ!
れいッ!…」


「飯だ!」


…セイカくんが…いない!


「ねぇちび、今日は何を作ってもらったの?」

「人聞きわるいよ、わ・た・し…」

「うそ!まじに?」

「が、つくれればいいなあ…って思いました」

「いっしょ、あたしも…」

「ねぇ、ここで食べていいかなぁ?」

「あ、ごめん…あの、ちょっと…例のアレを決行…ほら…これの…」


周りに見えないようにさよに、ラブレターを見せた。

「やるの?ついに!…そっか、頑張ってね、影で応援してるから……!?」


「どうしたの?ねえ、さよ?」


私の後ろを見ながら、目線をそらしている紗世


「ちょっと!ちび?今さ、あのメイクの濃いストパーのが…ちびのこと、じっと見てたよ…」


「…もしかして…」


私が後ろを振り向いた時にはもうすでに、彼女は廊下へ出た後だった。


「雅…さん?」


「そう!なんかツンてしてて、あたし苦手…でも、なんでちびを見てたんだろ」


「さあ?私、なにかしたかなぁ…」


「なにかの間違いじゃない、それよりいいの?例のアレ」


「あっ!いかなきゃ、それじゃあ」


「幸運をいのる」


紗世に手を振りながら、私は教室を出た。












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