ふたつのハート


私は静かに貯水槽の裏へ回りこんだ


ちょっとだけ見える…


雅さん!?…



「高吉くん、いる?」

「……」


「いたら返事して、お願い、高吉くん…」


貯水槽の上から高吉くんが現れた。


「…」


「高吉くん……最初にフラれた時からずっと…ずっと高吉くんのことを思ってた。
お願い!私の気持ちをわかってもらいたいの、だからこれを、受け取ってください」

雅さんは、ラブレターらしきものを高々と上げた。

「帰れよ…」


「高吉くん……なんで私じゃダメなの?どうすればあなたに好きになってもらえるの?教えて!なんでもする、好きになってもらえるなら、なんでもするから!」


「おまえなら他に、俺よりもっといい人が見つかるよ、じゃあな…」


高吉くんは見えなくなってしまった。


泣き崩れた雅さんは、涙をぬぐいながらゆっくり立ち上がると、行ってしまった。


雅さん…


それにしても

この後



…メッチャ行きずらいんですけど…



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