ふたつのハート
「ただいま~…はぁ…」


「おかえり…顔色が悪いけれど大丈夫?」


「うん…いろいろあって…」


「悩みごと?」


「違う、お腹減った、なんかない?
お昼、食べてないんだ」


「お腹の調子でも悪かったの?」


「違う…人間関係…」


「へッ?」


あの子おとなしいからなぁ…お友達のことか…


「無理することないから、お友達なら自然とできるものだから、焦らないで、それに紗世ちゃんがいるじゃない…」


「違う…男子とのことで…ちょっと」


「まぁ!それはそれは…がんばってねー」


「ん?」



自分の部屋へ戻ると、ベッドに寝転んだ。


ああ、それより困ったなぁ
せっかく男子とおしゃべりができるようになってきたのに…

おしゃべり禁止だなんて、ありえない

何かいい方法…

ないかなあ

って、やってる場合ではない!
来週テストがあるんだった、勉強しないといけない。

ベッドから起き上がり、机に向かって勉強をしようと、机の引き出しを開けると、あの時に見つけたピンクのハートが見えた。

小指の爪くらいの小さなかけら…

見ていると口元がゆるんでくる、あの時のあのちびちゃんの飼い主さん…

「ちびちゃん今頃なにしてるの?…
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