ふたつのハート
「今日の放課後、クラス委員会の打ち合わせをします。今選ばれた人は全員教室に残って下さい、以上」


ホームルームが終わると、紗世がすかさずやってきた。


「まさか、ちびが選ばれるとはね~でもたいへんそう」

「うん、でも相手が山代くんだから、少し安心…」


「あ~なんか想像つくわ、うるさそう」


「ふふふ、もし、さよとだったらもっと、うるさそう」


「たしかに!うるさいの自乗だね…あははは…」


そこへ、今の話をぬすみ聞きしていた、うるさい山代くんがやってきた。


「だれがうるさいの自乗だって~!」


「山代くん」
「山代…ちゃんと、サボらないで掃除やってよ~」

「ついてね~!なんで俺なの?
テストだって赤だし、掃除のセンスも無いし、見た目は美化に適してるけど」


「どこがだ!…
あれ? ちょっと待って!…さっきさぁテスト結果を基準にって、龍咲さんそう言ってなかった?」


「そういえば…私もメッチャ悪かったから安心していたのに、当たらないだろうなって…」

3人は同時に顔を見合わせた。すると山代くんは頬杖をつきながら、ヒソヒソと呟き始めた。


「もしかしたら、龍咲が絡んでいるのかも?…何故俺達なのかはわからないけれど…」


「なるほど…じゃあやっぱり高吉くんも赤なわけ?」


「それはない…あいつは中学の時から、いつも学年で一番だったから…」


「それ本当なの?すごい!高吉くんて頭もいいんだ!」


セイカくん…

すごいんだね…

なのに…




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