ふたつのハート

放課後、1年1組ーー


「一カ月後に体育祭を控えています、今年は綱引きに、男子は野球、女子はソフトボール…そして…」

「…続きましては風紀委員からの通達…女子のスカート丈の件…」


「以上…副委員長のほうから、何か意見はないでしょうか?」


「…ありません…」


「次回の定期委員会は2週間後、詳細は各自配布プリントで確認して下さい、では、これでクラス委員会を終了いたします」


「やっと終わった…セイカ!帰ろうぜ!」


その時です、龍咲さんのかん高い声がクラスに響く


「ちょっと待って!副委員長の高吉くんと美化衛生の奈々瀬さん、それに山代くんの3人は打ち合わせがあります、もう少し残って下さい…」


帰り支度をしていた、山代くんとセイカくんの手が止まった。

「打ち合わせ?…今ので終わったんじゃないの?」

「今後の方針の相談よ」

ほうしん?


他の委員の人達は皆帰って、私達4人だけになった。


「美化衛生のあなた達に残ってもらったのには意味があるの、私がこの学校へ来て最初に気づいたこと、それは…華やかさに欠けていること…」


はなやかさ?


椅子に座っていた龍咲さんは突然立ち上がり、黒板に学校の見取り図を書き始めた
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