ふたつのハート
「もともと男子校だったゆえに、そういった活動がなされてなかったの、それで今回…
見て、この四角の中に斜線を引いた場所、校門入り口と中庭のこの2箇所」
セイカくんと山代くんはほとんど見ていない…
2人ともどうしたんだろ、やる気なさそう…
「ちょっと…聞いてますか?、高吉くんと山代くん!」
「うッ…ヤバ…」
「ああ…」
「目的はこの学校の美化…花壇を作って、育てた花を、職員室や図書室、それぞれ各クラスに飾ること…それが最終目的のプロジェクトです、何か意見ありますか?」
素敵ッ!綺麗なお花でいっぱいにするのね…
山代くんが慌てて立ち上がった
「花壇!?に花!?…俺達が?」
「あたりまえでしょ」
「なんで俺なんだよ!花の名前すら知らないんだけど…女子だけでいいんじゃないの!」
「山代!…くん?…花壇だよ?考えてもみて、土やレンガにブロック…チカラ仕事がたくさん…イコールたくましい男性が必要なの、あなたを見込んで決めたのよ」
(あなたを見込んで?)
「そ、そうか、わかった!」
素直に認める山代くん
「奈々瀬さん、それに高吉くんも、よろしくね」
「はい!賛成です!」
「…あぁ」
相変わらずセイカくんは、ヤル気なさそうだった…
…龍咲さんて、最初、怖そうだなぁって思っていたけれど、真面目で、いい人だな、よかった!