ふたつのハート
「特に、ないけど…」


「そう!良かった、じゃあ放課後また…」


「う、うん…」


龍咲さんは私にそれだけ告げると、いそいそと自分の席へ戻り、何事もなかったかのように何かの本を読み始めた。


「ちび?」

「う、うん?」

「なんで龍咲さんが?」

「私にもわからない…あッ、もしかしたら花壇のことかな?」

「花壇?お花でも植えるの?」

「作るんだって、それでね、クラス中に飾るの、昨日委員会で決まったんだよ!…素敵ね、私すごく楽しみ…龍咲さんの提案みたいだよ…」


「へぇ…あの人、勉強しかしない人だと思ってたら、案外かわいいところあるんだ」


「だから、その打ち合わせだよ、きっと!」



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