ふたつのハート
キンコンカンコン


放課後ーー


「セイカ!一緒に帰ろうぜ!」


「わるい…おれ、用事があるんだ…」


セイカくんは足早に教室を出て行ってしまった。

「なんだよ…最近あいつ用事、用事って、付き合いわりぃ…まさか、彼女?」


「高吉くんに彼女?!ちょっと聞かせてよ!」
「うそでしょ!ほんとなの!やましろ!」
「イテッ!な、なに首しめてんだよ!俺は関係ないだろ!…ぐっ、くるひぃ…こ、こいつらマジで、締めてやがる…」

女子数人からもみくちゃにされている山代くん


「あ~あ、山代、可哀想に、そのわりに顔は喜んでるみたい…よくわからんやっちゃ…変なこと言うから…」


セイカくんに彼女…
もし本当にできたら…
……


「…相変わらず山代くんて可笑しいよね…すごく明るいし…彼を見ているだけで楽しくなる・ふふふ」


絢斗のほうをじっと見つめる小梅を見て、
紗世は首を傾げながら思った。



ちび…あなた…まさかね…



セイカくんの彼女……



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