ふたつのハート
「奈々瀬さんなら、あのふたりと仲が良さそうだし…嫌われている私より、言うことを聞いてくれると思うの」


「私が?…あのふたりと…」


あんな真剣な表情で言われたら、嫌だとは言えないよ

「うん、できるだけ頑張ってみる、サボっているの見つけたら、私、注意するので…それに、山代くんは普段ふざけたり、高吉くんもほとんどお喋りしないけれど、実際は違うと思うから…大丈夫!」

「すごい自信たっぷりね」

「そんな、自信なんてないけれど、なんとなくそんな気がするだけ…それに…龍咲さんは嫌われてなんか無いと思う…自分でそう思い込んでるだけじゃないのかなあ?」


「うん…そうならいいんだけれど…」

「そうだよ…」

「ありがとう奈々瀬さん!あなたに相談できて、不安が無くなったわ…」

『テンジンガワー テンジンガワー…』


フラワーショップーー


「これなんかいいんじゃないかしら?デイジー…可愛らしい感じで…」


「ほんと白い花びらピンとしてて、龍咲さんの雰囲気かも…」


「私の?…それなら、これは…
ベゴニア…ほんわかなピンクがぽや~んてしていて、まるで奈々瀬さんみたい…」

「ポヤ~ンか…そんなイメージなの、私…でも、可愛いい!」

「いらっしゃいませ~…ちょうど季節にも合っていますし、育てやすいお花ですよ…ガーデニングには最適で…」


店員さんが近づいて来て、説明してくれた。

「これに決めましょうか?」


「わあ!賛成!」








< 55 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop