ふたつのハート
「ふたりとも考えてきてね、それじゃあ…今日はこれで解散…」
「もう、終わり…」
「せっかくマジになりかけたのに…」
「ちびちゃん?一緒に帰ろうか?」
「う、うん…」
山代くんと一緒に帰ることにした
?
考えてみたら、男子とふたりきりで帰るのって初めてで…
ちょっと不安
しかも、なぜか山代くんは私の真横にぴったりくっついているし…
しばらく黙ったまま歩いていると
「あ~あ!」
ひっ!…
ため息も大きい…
ふふ…
「セイカのやつ、どうしちゃったんだろう?
最近つきあい悪いんだよなぁ…」
またセイカくんのこと…
山代くんていつもセイカくんと一緒にいるから、彼がいなくてきっと寂しいんだろうな
セイカくんはバイトなんだよ…って言いたいけれど…
?…でも、なぜ?
「あの…」
「なに?ちびちゃん」
「あ、あの、セイカくんのことで…
ちょっと…」
「セイカのこと?…何か知ってるの?」
「ち、ちがう…あ、あの、セイカくんの家って、ビンボーだったり、する?」
「ビンボー!?…って、またなんで?」
「な、なんとなく…」
「あいつん家、逆に金持ちだと思うけど、家もバカでかいし、セイカの親父さん、社長だって聞いてたし…」
ほんとに、雲の上の人だ…
なんのためにバイトを…
セイカくんがいないと、龍咲さんも、山代くんも気が抜けたみたいになってしまって…
このままじゃ、プロジェクトが進まない!
なんとかしなければ!