ふたつのハート
「ぎょうむ命令…」
「とにかく、今日のバイトは城東高校で、花壇のヘルプ…ってこと」
「じゃ…じゃあ、一緒に?」
「このスタイル見ろよ…」
セイカくんはその場で、くるりと一回転して見せた。
「わあッ!!…うん!」
「一緒のユニホーム…それに…俺も…奈々瀬と…」
「私と?…」
セイカくんが、何か言いかけようとした時
「ち~び~!!だいじょ~ぶ…!?あ~れ…」
「高吉くん…!?」
さよと龍咲さんが戻って来たのでした。
「え?なんでいるわけ?」
「その格好…!?」
セイカくんはふたりに、予定が変わったことを説明した。
龍咲さんも大喜びだ!…
「高吉くんが来てくれただけでも、わたし…嬉しい!」
ーーー
花壇作りが始まり、セイカくんがスコップで溝を掘る。
私とさよはその溝に、石ころを入れて行く。
龍咲さんがその石ころを平らにならして…
「ようやく型ができたわね…あとはブロックを重ねれば…休憩しましょうか…」
「賛成!…つかれた…」
「うん…あたしも…」
重労働でみんなはヘタヘタ…4人で地べたに座って休んでいると…
「お~い!…おまたせ!…」
遅れて、山代くんが到着…
「遅れてごめん…!?あれ…もしかして、終わったの?」
「何言ってんのよ、始まったばかりだってば、遅いよッ!罰としてジュース買ってきなさい!」
「ちょっとさよ…いいすぎじゃ…」
「いいのいいの…セクハラの件もあるし…」
セイカくんと龍咲さんがピクッとして、さよと山代くんのことを見ている。
「真谷さん…セクハラって?なに?」
龍咲さんがさよに聞くと
「やま…」
「さよ!やめよう!ううんこっちの話だよ…それより、山代くん!?早く買って来てよ!私はジャスミン茶ね!…」
「奈々瀬さんも?…山代くんに、けっこう、きついわね…」
「あたしは、オレンジとピーチ」
「なんだよ真谷、2個もかよ!?」
「いいから早く!喉カラカラ…待って!あたしも行く!」
「いいよ!1人で行けるし」
「いいから、行こ!」
さよに引きづられながら、ふたりは自販機のある購買へ行ってしまった。