しふぉん・けーき
「今日のことはもう過ぎたことだから、仕方がないけど。
もう二度とあんな危ないまねはしないでね！？」

「は、はい・・・」

顔を近づけられた私は、ただ、頷くしかなかった。

しかし、私の中には疑問がのこっている。

「あ、あのね・・・真君・・・」

「何？」

「真君って一体何者なの？」

「え？」

ずっと前から聞きたかったことを本人に聞いた。

しかし―――

「ごめんね、なっちゃん。
それは答えられないんだ」

という返答がきた。

「どう・・・して・・・？」

「僕たちがやっていることは、極秘任務だからだよ。
だから、僕たちの正体をやむを得ない場合以外は明かしちゃいけないんだ。
ごめんね」

と、しっかりとした口調で答える。

だが、私の中にはたくさんの不信感が募った。

どうして、自分の正体が明かせられないのか？

どうして、私と同じ年の子があんな危険なめにあわなければならないのか？

どうして、私に全てを話してくれないのか？

そんなに、私は信用ができないのか？

私は、心のどこかでプライドを傷つけられた気持ちと悔しさと惨めさとどこかやりきれない思いでいっぱいだった。
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