しふぉん・けーき
「これ、似合うかな?」

「ん~・・・どっちかっていうと真君はこの帽子が似合うんじゃないかな?」

「そう?」

私達は今、帽子を選んでいた。

「どう?」

「あ、似合うかも!!」

と言っていると、また後ろから女性店員の方が来られて私を踏みつけてまでも真君に近づく。

「大変、お似合いでございますぅ~♥」

「この帽子は、お客様のために作られたようなもの。
是非、被って行かれてはいかがですかぁ~?」

見ていて、嫌気がさす。

すると―――

「ありがとうございます。
では、これを買います。せっかく僕の大切な彼女が僕のために選んでくれたものですから。
ありがとう、なっちゃん♥」

とキュートな微笑みを私に向けると、真君は私に手を差し伸べてくれた。

「さぁ、早くこの店を出よう」

「・・・うん!」

お会計を済ませ、私たちは颯爽とこの店を出ていった。
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