しふぉん・けーき
「で?
なっちゃん、何であんなブラックな所で働いてるの?」

やはり、それを聞きますよね~・・・

ここは、真君の事務所。

で、私と真君の二人きり。

他の人達は休みなんだそうだ。

「じ、実は~・・・生活費が足りなくて・・・」

「そんなに足りないの?
僕が行くときはそんな感じじゃなかったけど?」

「うん。今月分はなんとかなるの。でも・・・来月分が・・・」

「ピンチなんだ」

そういうことです、真さん!!

すると、脱力した真君が安堵のため息をついた。

「それなら、そうと相談してくれればいいのに~」

「でも、これは、私の問題だし・・・」

「ん~・・・まぁ、そうなんだけど・・・」

と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる真君にふと疑問に思ったことを聞いてみた。

「そういう真君こそ、どうしてお店に?」

「うん。実はねあの店の近くで幹部の人と会議があって、その帰りにあの店を通ったんだ。
で、中にふとみると、なっちゃんがたくさんの人達に囲まれてて・・・
しかもなっちゃん、泣いちゃってるし。
で、止めに入ろうと中に入ったら、女の店員さんがなっちゃんを罵倒していたから、腹が立って声をかけたわけ。
でも、本当にびっくりしたんだよ?」

ですよね~、話してないし・・・

「でも、なっちゃん。お金が欲しいの?」

「お、お金が欲しいっていうか・・・
稼がないとなぁ・・・っていう・・・」

「じゃあさ、僕の事務所でバイトしない?」

はい!?
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