しふぉん・けーき
その日の夕方、私以外の他のみんなは定時の為、先に退社していた。

仕事の内容は覚えられたのだが、作業効率がなかなか上がらず、定時を過ぎても仕事が終わらなかった。

しかも、まとめたものを間違えたり、機械のボタンを押し間違えたり・・・

なんだか色々と足を引っ張ってしまったような・・・

「はぁ~・・・」

と一人大きくため息をついていると、デスクに缶のミルクティーが置かれている。

誰だろうと見上げると、真君が優しいまなざしで私に微笑む。

「おつかれさま」

しかも、初めてみるスーツ姿に、ドキッとする。

あぁ・・・やばい・・・

カッコよすぎます・・・真君・・・!!

「疲れたでしょう?」

「うん・・・まぁ・・・」

「緊張した?」

「うん・・・
何回も失敗しちゃって・・・足を引っ張っちゃって・・・」

「そっか。
ま、誰だって始めは失敗するけどね。
ここにいるみんなも始めはよく失敗していたよ?」

「そうなの?」

「うん。
僕なんか、最初は何回も失敗したし」

「え!?あんなに完璧な真君も!?」

「完璧は大袈裟だよ~♪
僕も、そこまで完璧じゃないんだしね。
つか、人間だれしも完璧な人間なんて居ないよ?」

まぁ、それはそうだけど・・・

「真君はいつから、ここに?」

「ん?僕は3歳から入って、5歳でこの役職に就いたんだ~」

ご、5歳!?
< 151 / 244 >

この作品をシェア

pagetop