しふぉん・けーき
振り向くと、そこには仁王たちをしている朱莉さんの姿があった。

「あなたたち、こんなところで何しているのかしら?
まるで、亀をいじめている子供みたい」

朱莉さんが私の前に立つ。

「あんた、誰?」

「私?
私はこの子の友達よ」

「はぁ?友達~?
あんたも陰気くさいやつとつるんでるね~」

「えぇ。おかげさまであなたたちみたいな正気悪いやつらとつるまなくて済んでるしね。
まぁ、これも何かのご縁ってところかしら?
そんなことより、そんなに真が好きなのかしら?
真の彼女を大人数でたかって・・・
そんなんだから、真に振り向いてくれないんじゃなくて?」

朱莉さんの言葉の一つ一つがグサリと抉る。

「こんの・・・クソババア!!」

と女子の一人が朱莉さんを殴りかかろうとした。

しかし、朱莉さんはそれを片手で捉え、相手の後ろに腕を回した。

「血の気の多いこと。
私に殴りかかろうとするってことは、図星なのかしら?
それじゃ、一生振り向いてくれないわね。
ほんと―――」

朱莉さんは、薄ら笑い相手の腕をねじり伏せた。

痛みでその子がもがきだす。

「かわいそうな人達ね」

その瞬間、みんなはその場から走って逃げだし、その子も抜けて走って逃げる。

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