しふぉん・けーき
話終えると、真君はしばし言葉が出ないかのように黙っていた。

そして―――

「そっか。そんなことがあったんだね。
ごめんね。助けられなくて」

「ううん。真君がこうしてそばにいられるだけで幸せだよ。
それに朱莉さんにも言ってくれたの。
自分の意思はしっかり持つのよって。
だから私決めたの。
絶対に真君を手放さないって」

「なつき・・・」

一瞬驚いた顔を浮かべた真君。

だが、ふっと柔らかい笑みに変わり、私をギュッと抱きしめてくれた。

そして、前髪・目・鼻と近づき、今度は唇に近づき重ね、舌を重ねる。

真君からくれる一つ一つが愛おしすぎる。

甘い刺激に私は思わず息が乱れる。

どんどん深くなっていくキスに酔いしれたころ、名残惜しそうに離れた。

「まだしてほしい?」

「え・・・?」

窓の光から差し込む光からか妖艶に光る真君の瞳。
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